人生後半の戦略書 – 第1章 キャリアの下降と向き合う

読書ログ

読書ログを付けていく事にした。

サマリー

ホワイトカラーもスポーツ選手と同様に業務能力の成長が止まり下降が始まる年齢がある。その年齢や職種によって多少の前後はあるが、思っているよりも早く訪れる。
成功を納めて満足感を得る人ほど、次の満足感を得るためのハードルは高くなり、自身の能力の落ち込みに伴い苦しみが増す。
人生の前半と同じように仕事を続けていく事に未来は無いと受け入れて、人生の後半に備えて新しい強みとスキルを身につける必要がある。

キーワード

  • では、IT技術者は何歳ぐらいから衰える?
  • なぜキャリアの下降が起きるのか?
    • 脳の変化の可能性
  • 能力の落ち込みに抵抗しても無駄であり、抵抗はより大きい苦しみを生み出す

メモ

  • ダーウィンは自分のキャリアに失望しながら亡くなった
    • 両親から聖職者になる事を望まれていたが、本当は科学者になりたかった
    • 22歳からチャンスを得て、50歳で「種の起源」を発表。進化論を説いたベストセラーになった
    • しかし、知名度はとても高くなったが、種の起源以降、ダーウィンは目立った業績が残せていない
    • 他者から見れば富と名声を手に入れたダーウィンは成功者だったが、本人からすると新たな研究成果を生み出せない事に不幸を感じていた
    • ダーウィンの落ち込みは正常なことで、がむしゃらに仕事をしてきた人は同じパターンの落ち込みと失望を感じる。そしてそれは思っているより早く訪れる
  • 大半の人が老化、老化によるパフォーマンスの劣化は遠い未来の事だと考えている
  • 高いスキルを要する職業の場合、30代後半〜50代前半でキャリアの落ち込みが始まる
  • スポーツ選手は老化による劣化を受け入れているが、ナレッジワーカーはその現実を受け入れていない
  • ノーベル賞受賞者は、20代〜30代にかけて能力が上がり、30代後半で大発見をする事が多い。40代以降は衰える一方で、70代で大発見をする可能性は20歳と同じくほぼゼロ
  • 他職種の劣化開始年齢
    • 作家は40〜55歳
    • 金融関係は36〜40歳
    • 医師は30代がピーク
  • 平均するとクリエイティブ職はキャリア20年目ぐらいがピークで、あとは劣化していく
  • キャリアの下降が起きる理由
    • 年齢とともに知能が低下する事が原因と思われていたが、加齢による知能の低下は顕著ではないと判明している
    • 脳の前頭前皮質の働きが落ちる
    • 素早い分析や創造的な発明ができなくなる
    • マルチタスクができなくなる
      • 子供に「ながら勉強は効率が悪いから止めなさい」と注意するが、ながら作業ができないのは子供ではなく自分自身なので、自分に言い聞かせる
    • 名前と事実が思い出せなくなる
  • 必要とされなくなる苦しみ
    • 職業的威信の苦悩には相関の法則がある
    • 落ち込みによる苦しみは、成し遂げた業績とそれに対する執着度に関係している可能性がある
    • 高い目標を達成すると、次の満足感を得るには更に高い目標を達成する必要があり、難易度が上がる分、達成回数は減り不満を覚え、過去の成功にしがみつき、孤立する悪循環に陥る
  • どこに向かうか
    • 懸命に働いて成功を得ても、早ければ30代、遅くとも50代前半には必ず能力の落ち込みがくる
    • やがて落ち込む事を否定して抵抗する。待っているのは挫折と失望
    • 諦めて落ち込みに屈する。待っているのは老化は避けられない悲劇だと嘆きながら生きていく人生
    • 現在の仕事を続けても未来はないと受け入れる。新しい強みとスキルを身につける
    • 3番目を選ぶには、一連の新しいスキルと一つの新しい考え方が必要

コメント

タイトルとURLをコピーしました